何も出来ないまま時間は過ぎ
〔手術中〕のランプが消えた。
医師が出てきて『手術は成功しましたよ。 幸い、頭部にも脊髄にも損傷はありませんでした。 多少の後遺症が残る可能性はありますが、日常生活に支障をきたす程ではないかと思います。 詳しい話は別室で』と、優衣の家族を別室へ促した。
安堵の余り、その場にへたり込む優衣のお母さん。
『良かった。 本当に良かったな』と優衣のお母さんの頭を、優衣のお父さんが撫でた。
優衣のお父さんに微笑み返すと、優衣のお母さんがオレの家族の方にゆっくり近寄ってきて
「取り乱したりしてごめんなさい。 優衣の為に病院まで駆けつけてくれてありがとう」
オレのオカンの手を握った。
首をフルフルと左右に振っては『本当にごめんなさい。 優衣ちゃんが無事で本当に良かった』と優衣のお母さんの手を握り返すオカン。
『謝らないで』とオカンに微笑みかけると、優衣のお母さんは優衣のお父さんと共に医師の話を聞きに別室へ行った。
でも、優衣のお母さんに『気持ちが悪い』と言われた優奈さんはその場から動けずにいて。
『優奈さんも行きな』と優奈さんの背中を押すと、オレと優奈さんが仲良くしているのを見るのさえ嫌であろう大人たちが、何とも言えない目でオレらを見た。



