パタパタと上履きの音が、徐々に近付いてくる。
そして、その音は、教室の中に入ってきた。


「おい、待て、仁太!」

「聞こえてんのか?仁太、待てって!」


玲達の止める声が聞こえるけど、仁太くんはそれを無視して僕のところへやって来た。


「伊月...説明しろよ」

「えっ...伊月...何かしたの?」


カモちゃんが心配そうに問い掛けてくる。

...やだ、バレちゃうの...やだよ...。
僕は視線を玲に向けた。


「...仁太、この教室じゃないところで話そう」


玲はそんな僕の気持ちを察して、仁太くんを促した。


「あぁ?どこでもいいだろ」


でも、仁太くんはイラついてる。


「...その方が...話しやすい、から...」


そして、僕のその言葉に、仁太くんは渋々頷いた。