「いった...痛いよ、カモちゃん...」

「こーら、動かないの」

「だ、だって...」

「いいから。こっち向いてよ」


只今手当てをされている真っ最中。


「こんなに傷だらけで...そんなに仁太くんと仲良くなったの?」

「へ?」

「こんなに傷だらけになるほど、仁太くんのスマホを一生懸命探したんでしょ?」

「え...あー、うん。まぁ?」

「よかったねー。ほんと、伊月って友達すっごく増えたよね」


うーん...友達っていうか、兄弟って言われたけどね。


「よし、終わった。もう、怪我には気をつけてよ?」

「はーい」


僕がそう言うと、カモちゃんはポンポンと僕の頭を撫でる。
...カモちゃんとも姉弟、か。

僕、友達をすっ飛ばして兄弟になるの、得意なんじゃないかってくらいなってるな...。

...カモちゃんとは、友達でいたいわけじゃないけど。


「でも、意外だったなぁ」

「え?何が?」

「仁太くんが。なんかもっと感じ悪い人かと思ってたけど、話してみたら話しやすいし」


...なんか、妬いちゃうんだけど。