「じゃあ、仁太くんはどの立ち位置?」

「んー...じゃあ、兄弟ってことで」

「きょ、兄弟?」

「あぁ。ダチっつーと、なんか仲良しこよしって感じがして好きじゃねーし」


友達より、なんか深い感じがするけど、いいのかな。


「じゃあ、俺らには属さねぇ、伊月さんの弟分っつーことか」

「え、俺が弟?見た目は完全に俺の方が兄貴なんだけど...」

「お前は負けただろ?」

「...はいはい。伊月にーちゃんの仰せのままにー」


随分と背が高くて頼りがいのある弟だ。


「それでいいか?伊月」

「うん。僕はいいよ」


そう言うと、仁太くんはニッと笑った。

仁太くんのこと、もっと怖い人だと思ってたけど、案外そうでもないみたいだ。
面白いし、多分、優しいし。
きっと、真っ直ぐに強くなりたいって思ってる、熱い人なんだなって、思った。