千章高校までは徒歩15分くらい。
だけど、そんなにかかるはずがない。

カモちゃんを一刻も早く、取り戻さなければ...!

その一心で、僕は千章高校に辿り着き、体育館の重い扉を開けた。


「お?来たみたいだねぇ。あれ?ちっちゃいな。弟か何か?」


ニヤリと不気味な笑顔を僕に向ける彼が、きっとこの高校のトップなんだろう。

...その表情、余計に苛立つんですけど...。


「伊月っ!」


カモちゃんは泣きそうな表情で僕を見つめる。

カモちゃん...大丈夫、すぐに助けるから。

すでにその場にいた絋ちゃんや瞬を始めとするトップ10の中の7人が、僕を見る。


「...伊月」

「...瞬先輩、カモちゃんを、お願い」

「えっ!?伊月...何するの!?」


カモちゃんは心配そうに僕を見る。


「大丈夫。先輩達が倒してくれるから。僕は、何もしないよ」


僕がそう言って微笑むと、カモちゃんは不安そうに頷き、瞬に連れられて体育館を出た。