次の日。


「伊月さん、おはようございますっ!!!」


あぁ...。

僕は、ますます周りの姿勢を低くしてしまった...いや、僕自信の立場を高めてしまったらしい。

ナンバー10以下の男子にも、昨日の噂は知れ渡っているらしく、男子の横を通りすぎることも、なんというか、危うい。

カモちゃんにバレちゃうじゃん...!


「伊月さん、昨日はほんと...」

「わあぁっ、も、もういいから、分かったから...!」


教室の前で興奮冷めやらぬ様子の男子の口を両手で押さえる。


「教室の前では、そういうの無し!ってか、教室の前じゃなくても無しでいいんだけど...」

「あ...っ、すみません、伊月さん。では、この話はまた、お聞かせくださいね!」

「うん...分かった...じゃあ、またね」


ヒラヒラと手を振って、僕はその男子を見送る。
そして、教室に入った。