「お疲れ様です、伊月さん」

「うん。でもよかったぁ...負けを確信してたからね、僕」


僕の言葉に無理矢理微笑むみんな。


「ちょ、ちょっと...そろそろその愛想笑いみたいなの止めようよ...」

「いや、だって伊月さんがあんなに怒ってるの、見たことなかったし...」


「なぁ」と玲はみんなに意見を求め、みんながうんうんと頷く。


「...んー...なんか、イラついちゃうんだよね。カモちゃんのこと、僕から取ろうとする人を見ると」


カモちゃんは、僕の。
僕だけの...。

そこまで思って、少し考える。

付き合ってる訳じゃないのに、僕って独占欲強いかな。


「ほんと、カモさんのこと大事なんすね」

「当たり前だよ。カモちゃんは、特別なの」


僕はみんなにそう言って、夕焼け色に染まる道を歩いた。