寂しがりヒーロー

それから、放課後になり、僕らは校庭に向かった。

相手の集団はとっくに集まっていて、僕を見て笑った。


「うーわ、マジかよ。ここのトップ、マジ弱そう。強いって噂だったから期待してきたのに、小学生じゃねぇか」


...反論できない。
あー...どうしよ。
怪我とか、カモちゃんになんて言い訳しよう...。

勝つ気なんて更々無い。
だから僕は、そんなことを考えていた。

絋ちゃんや玲達にも申し訳ないし。


「はぁ、さっさと始めようぜ。こんなガキの相手したくて来たんじゃねぇし」


相手が怠そうにそう言い、僕を視界に捉える。

少し震える手足に、自分でも頼りなさを感じたその瞬間、相手が僕にこう言った。


「そういや、この高校のトップって、ある女に依存してるって話だったよなぁ。確か...神田望波とかいう女だっけ。俺が勝ったら、その女、貰ってくわ」