「つ、疲れた...」

「朝から走るからでしょ?」


そう言いながらカモちゃんは笑う。

ほっんと体力ないなぁ、僕。


「伊月さっ...伊月!」


そこに、玲が焦ったように走ってきた。
必死に走ったのか、汗まで掻いている。


「どーしたの?」


僕がそう聞くと、玲はチラッとカモちゃんを見て、「詳しくは後で!」と言った。


それからカモちゃんがいなくなった後で、玲は僕に耳元で話す。


「...多義高校のトップが、伊月さんにタイマンを申し込んできました」

「タイマン...って、一対一で戦うやつ、だよね?」

「その通りです」

「えぇ...どうしよ。断っていいかなぁ?」


今の僕じゃ、負けるに決まってるし。