「...伊月が独りでいるなんて、無理だよ」

「えっ?」


カモちゃんの言葉は、意外なものだった。


「だってさぁ、伊月の周りにはいつも仲間がいるじゃん。先輩達も、玲くんも、仁太くんも。それに、私だって。伊月がいくら私達を突き放したって、きっと離れないよ。だって、伊月が好きだもん」


カモちゃんは平然とそう言った。


「っていうか、伊月は私を守ってくれたんだよ?そのせいで私が離れるっておかしいでしょ!寧ろ一緒にいたいよ。そうすれば、伊月のことは私が守って、私のことは伊月が守ってくれるでしょ?」


カモちゃんはどこまでも純粋で、真っ直ぐに僕を見る。

その目は、僕を怖がりもしないし、僕に冷たさを向ける目でもない。
ただ純粋に、思っていることを伝えてくれていると、分かる。


「カモちゃん...うん。僕、カモちゃんのこと守るよ。これからもっともっと、強くなって、カモちゃんに頼られるヒーローになる!」

「あははっ、寂しがり屋なヒーローだね」


カモちゃんはそう言って、僕の頭を優しく撫でた。