ファンシーケース

 これは、俺が八王子にある高校に通っていた頃の話だ。



 6月の梅雨の晴れ間の ある蒸し暑い日・・・・・

高校の友人タカの 西八王子にあるマンションへ、俺はいつも以上に授業が終わるのを待ちかねて、遊びに行った。
タカのマンションは、前々から『出る』って、噂があったらしいのだが・・・・・
 あの日は、俺の幼馴染で、別の高校に通っているケイもタカのマンションに来る日だった。



ケイは、一人暮らしをはじめるために、ファンシーケースを欲しがっていた。それを、何気なくタカに話した。

するとタカは、


 「俺の部屋にあるヤツ使ってないから、良かったら貰ってもらえると嬉しいなぁ」


と言ってくれた。

 このことをケイに連絡し、ファンシーケースをもらいに行く日を決めたのだった。



 夕方・・・5時頃になって、ケイがやっと到着した。


 二人とも、初めて逢ったので、まぁ少しバカ話でも・・・って感じで、暫くはくつろいでいた。
窓の外が、少し暗くなって来た頃・・・。件のファンシーケースが


・・・ガタッ  ガタッ ガタガタッ・・・ 


っと、動たのだ。

 それに気づいたのは、俺とケイだった・・・・。
俺達は、硬直しながら顔を見合わせて・・・暫し無言になってしまった。