『伊織・・・・・?』
そんな人知らない・・・・・。
「はぁ?あんた伊織の友達じゃないの?てか!友達じゃなくても伊織の事知ってるでしょ!!知らないの??」
びっくりとしたように言う儛那に、戸惑いながらも頷いた。
「信じらんない・・・・・ねぇ?翔馬」
「まぁ・・・な!でもほら!刹那はあんま他人に興味ないタイプだし知らなくても同然っちゃ同然だよな!」
『あ、、いやその・・・・・ごめんね』
「はぁ・・・・・。伊織は学年で一番可愛くてかっこよくて優しくて頭良くてスポーツ出来て完璧なんだから!」
貧相な胸をはりながらドヤる儛那。
「ない胸をはるんじゃねーよ・・・・アッ・・」
い、言ったーー!!!!!!!
翔馬さん言っちゃったよ!!この人!!
しかも最後らへんアッって言って気づいてるし!!
「お前いまなんつった・・・・・?」
ド黒いオーラを纏った儛那。
冷や汗を滝のように流す翔馬。
『あ、あの!僕、伊織さん?のとこに行ってくるね!』
逃げる僕。
「せ、刹那!おまえ!!待て!!」
逃げる刹那を追う翔馬。
「逃がさん殺ス!」
翔馬を捕まえる儛那。
「うわぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
アーメン。
『翔馬君・・・・・短い間だったけどありがとう!さよなら・・・・・っ!』
後ろを一度も振り返ず廊下に向かった。
いや、詳しく説明すると、一度も振り返ず走って廊下へ逃げた。
