恐る恐る寝ていた女の子をみてみると、眠そうな顔でトロンとした顔をこちらにむけていた。
よくみると美人な女の子だった。
長い髪を淡いミルクティ色に染め、黒目がちの大きな黒い瞳が、白い肌に映えている。
この学校にこんな美人な子いたんだ…。
「…あんただれ?」
『い、いや!!!!僕はあやしい者じゃありませんよ!!!!!伊野田先生に書類をここに置いてきてと頼まれてきたんです!!!すみません!!!!!!ごめんなさい!!!!!!』
うわぁぁぁああああああああ女の子に喋りかけられた!!!
びっくりしすぎて言い逃げした後、社会科資料室から飛び出してしまった。
失礼だったかも…。
…でももう会うことも喋ることもないし、大丈夫か。
あんな美人な子に喋りかけられるっていう経験はもうないだろうなー。
とりあえず教室に行こう。
ドキドキと鼓動を打つ心臓に手をあて、いつもと違う何かに戸惑いながらもワクワクしている自分がいた。
