「……いないか」 雨瀬先輩の足音が遠退いて行くのが分かる。 先輩、行かないで!! せんぱいっ!!!! そう、心の中で叫んだ時、ブレザーのポケットに入っているスマホが鳴った。 この音は……、SINE《サイン》電話……!? 「うさ葉、いるんだな!?」 足音がこっちに向かってくる。 でも、男は私の上に乗っかったまま動こうとしない。 どうして……、逃げないの……? 何を考えているの……?