硝子張りの窓から見える新緑の木々を見つつ、私達はJ-popの曲を聴く。
「どう? いい曲っしょ?」
「うん」
「……実はね、学食みんなと食べられなくなってからずっと、雑音が続いてたんだ」
鹿野君は、明るい口調で言った。
……そう言えば鹿野君って高1(クラスはE組)の時、『地味男』とか言われて、いじめに合ってたんだっけ……。
いじめに合ってからは、悪口(雑音)を聞き入れたくなくて、イヤホン付きスマホで音楽を聴いてたんだよね……。
それに去年、瀬名君の家で見たけど、イヤホン付きスマホを先輩に奪われた時、重度スマホ音楽依存症による精神異常が起きて、幻聴(悪口)で苦しんでたし……。
私は少し戸惑いながらも、うん、と答える。
「だけどね、またみんなと食べられるようになって、綺麗な曲に聴こえるようになったんだ」
それを聞いてほっとする私。
「そっか……、良かったね」
硝子張りの窓から、暖かな光が差し込む。
鹿野君は穏やかな表情で笑った。



