雨瀬先輩は隣から私を抱き寄せながら、部屋にある丸い時計を見る。 時計は19時を示している。 「そろそろ、帰った方がいいんじゃないか?」 「えっ……」 雨瀬先輩の言葉にショックを受ける私。 「親も心配するだろうし」 先輩は優しいな……。 いつもの私なら、頷いて帰ると思う。 でも、今日は……。 今日だけは…………甘えたい。 私はぎゅっと紫色のトレーナーの裾を掴む。 「まだ……」 私の目が涙目になり、眉が下がる。 「まだ……帰りたくないっ……」