「この場はわたしがなんとかするから。ね?」 「分かった」 私は絵美ちゃんにそう言うと席から立ち上がる。 結季さん、去年からずっと雨瀬先輩のこと好きだったんだ……。 私はぎゅっと涙が出そうになるのを堪える。 私、なんにも知らなかった……。 なんにも……。 「うさ葉?」 雨瀬先輩が尋ねる。 「ちょっと……、電話に出てきます……」 ――――タッ!! 私は鞄を肩にかけて走って喫茶店から出る。 「ヤット……、会エタ」 気持ちの悪い声が横から聞こえてきた。