結季さんは、私にわざと見せつけるかのように、長く深いキスをする。
ゃっ……。
やだっ!!
そう思うのに体が動かない。
結季さんはゆっくりと唇を離す。
雨瀬先輩は、結季さんを冷たい目で見る。
「……何するんだよ」
「えっ、何って、キッキス……」
「去年からずっと断ってるのに、なんで分かんないの?」
「分からないのは雨瀬君のほう」
「は?」
結季さんは今にも泣き出しそうな顔で雨瀬先輩を見る。
「雨瀬君、去年、図書館で言ったよね。君は何も分かってないよって、直接口で告白する勇気もない子とは付き合えないって。だから、SINE《サイン》じゃなく、口でちゃんと告白したし、行動にも移した。それなのに、なんで受け入れてくれないの?」
「そういう君が嫌いだからだよ……SINE《サイン》で告白された時から俺は君となんて関わりあいたくもなかったけど、同じ科でもめると何かとやりずらいから、あくまで同級生として接してきた。でも、もう限界だ」
雨瀬先輩はガタッと立ち上がる。



