「うさ葉」 雨瀬先輩は手を離して私の肩を掴み、ぎゅっと抱き寄せる。 「俺がいるから大丈夫だよ。このまま行こう」 私はコクンッと頷くと、雨瀬先輩は私を抱き寄せながら早足で歩いていく。 歩き出してから10分後、ラスバーガーの前に着いた。 雨瀬先輩は私の肩から手を離す。 「せ、先輩?」 雨瀬先輩は、バッ! と後ろを振り返る。 「誰もいないか」 雨瀬先輩のその言葉を聞き、私も振り返ってみる。 私はホッと息を吐く。 本当だ、いない。 私の両目にじわり、安堵の涙が浮かぶ。 よ、良かった……。