それから、1時間程経つと、絵美ちゃんが診察室から出てきた。 絵美ちゃん……! 私はソファーから立ち上がり、絵美ちゃんの前に移動する。 「どうだった?」 「どこも怪我をしてなかったわ」 私はぎゅっと絵美ちゃんの手を握る。 「よ、良かった……」 私が目に涙を溜めながらそう言うと、 「野山さん……」 絵美ちゃんは少し笑みを零す。 「絵美!」 艶やかなダークブラウンの長い髪のキリッとした女性が駆けてきた。 「母さん」 絵美ちゃんのお母さん、冷酷な女王って感じだ……。