「野山とのことは……、誤解なんだ……ストーカーのことも本当で……うっ……」
犬垣君は手で口を押さえる。
「犬垣君……大丈夫……!?」
私は声をかける。
「平気」
「あのね……絵美ちゃん、犬垣君……重度携帯依存症で携帯がないとだめで……」
「……知ってるわ」
絵美ちゃんはそう言うと犬垣君をふわっと抱き締める。
そして、絵美ちゃんは空を見上げる。
小雨だった雨が大粒の雨に変わり、私達を濡らしていく。
絵美ちゃんの目から出た一筋の涙が頬をつたる。
「ありがとう……犬垣さん…………」
犬垣君は絵美ちゃんに抱かれたまま何も言わなかった。
絵美ちゃんは私を見る。
「……野山さん」
「うん?」



