――――ドンッ!
みっちゃんは、前から勢いよく私を突き飛ばした。
私はずらりと並んでいた自転車に背中を勢いよくぶつけ、
その反動でガシャアアアンッ!!っと何台か自転車が倒れた。
私は左腕を見てハッとする。
腕時計のガラスカバーには罅(ひび)が入っていて、壊れていた。
先輩からもらった時計が……。
時計が…………。
私の両目にじわっと涙が浮かぶ。
「好きだった雨瀬先輩、譲(ゆず)ったのに、次は犬垣も私から取るつもり!?」
違う……。
「違うよ、みっちゃん……! 犬垣君、取るつもりなんてないよ……!!」
私は手に力を入れ、起き上ろうとする。



