私はハッとする。 もしかして、黒うさぎにやられたんじゃ……。 「あのっ、犬垣くっ……」 「これ」 「え?」 私は犬垣君から袋に入ったメロンパンを受け取る。 犬垣君はガタッ、と隣の席に座った。 「……もしかして、購買で買ってきてくれたの?」 犬垣君はバババッ!と携帯を打ってまた私に画面を見せてきた。 『うん。野山、購買並ぶの苦手だろ?』 犬垣君…………。 「……ありがとう」 私は目を潤ませながらそう言うと、犬垣君は薄い唇をほんの少しゆるめ、恥ずかしそうに笑った。