それからどれくらい眠ったのか分からない。 「んっ……」 私が目を覚ますと、 「……やっと、起きた」 バリトンの声が聞こえた。 え……? 声が聞こえた方を見ると、くっきりと雨瀬先輩の顔が両目に映った。 犬垣君が座っていた丸椅子に、なぜか雨瀬先輩が座っている。 何がどうなってるんだろう……? まだ、夢でも見てるのかな……? 「せ、せんぱい……?」 私は恐る恐る声をかける。 「よく、眠れたか?」 「ど、どうして……?」