犬垣……君…………。 どうして…………? 犬垣君は前扉からスタスタと真っ直ぐ歩いてきて、私の横を通っていく。 私はスマホを持ったまま後ろを振り返り、犬垣君を見て、 「どう……したの……?」 と、弱弱しい声で尋ねた。 「シューズ忘れたから取りに来た」 「そっ……、そっか……」 犬垣君は後ろのロッカーからシューズが入った袋を手に取る。 「……野山は?」 ドキッ! 「えっ……?」 犬垣君は振り返って私を見る。 「ここで何してるの? もうすぐ6限始まるけど」