「…またか」
「よくもまぁ毎日毎日飽きないねぇ、ご苦労なこった」
と、ふたりで呆れながら話す内容。
この学校には頂点に立つ男達がいる、それは“銀火龍”。
この辺りではかなり名の通った族だ。
強さは勿論、その見た目の美しさが人間離れしているためか男女問わずよくモテる。
しかし、モテるがために災難も多い。
自らが彼女だと言い張る女が毎日絶え間無く現れては喧嘩が勃発。
銀火龍に入るために年に30人は越える程の男達が名を挙げるが、相応しくないと思われた奴は全員排除される。
そのため、モテるとは言ったがその誰も寄せ付けない威圧的なオーラが男達から半径5mの範囲を保っている。
それでも我先にと女達は毎日懲りることなくたかりまくる。
「ねぇ紅音、あそこ隙間あるからそこから行くよ」
「あ、うん」
いつまで経っても退くことのない女の群れ、そこのわずかな隙間を見つけあたし達は校舎の中へとはいることが出来た。

