「おーい、あかっ…」
「ちょっと純也さんっ!今は火使ってるんだから危ないでしょ!話があるなら後でにしてよっ」
「…くすんっ、なぁ怜二」
「なんすか?」
「最近、紅音が冷たいんだが…」
「それはあんたが毎日毎日ベッタリしてくるからじゃないっすかぁ?少しは紅音離れしたらどっすかー…あむっ、お、紅音これうまいぞ!」
「あっ、ちょっと怜二さん!またつまみ食いして!怜二さんだけ量減らしますよ!?」
「それは嫌だっ!」
朝から騒がしいこのふたり。
部屋の隅でショボくれてるのが組長の純也さん。
黒髪をオールバックにして和服がよく似合う美形の40代。
あたしの横で手を合わせ「飯だけはどうかっ」と謝ってくる茶髪で方網のおにいさん(?)が柴田怜二さん。
純也さんの右腕で頼りになる副組長。
だけど少しアホ、でもイケメン。
「ほらっ、もう出来るからみんなを呼んで広間で待ってて!」
「だそうっすよ、行きますよ純也さん」
「うぅ、…紅音〜っ」
口を尖らせ拗ねる純也さんを引っ張り台所を出て行く怜二さん。
「はぁぁ〜、毎日これじゃあ学校なんて行ってられないよ…」
朝から大きな溜息をつく。

