不機嫌プロポーズ





お互いに違う高校に進学したおかげで彼女とはめっきり会わなくなった




同じ学校だと厭でも視界に入ってきてしまうので、これは彼女を諦めきる良いチャンスだと思っていた矢先に神様は相当意地悪なやつらしく、なんと帰り道が偶然一緒だったのだ




もちろん彼女はそんなことには気づいてない




いや、だが毎日たった数分間帰り道が同じってぐらいで諦めきれないとかそれはないだろうと高を括っていたが、甘かった




どうやら俺は本当に、本当にどうしようもないくらい彼女のことが好きだったらしく




毎日のように一目彼女を見ようと決まった時間にその道で彼女を待ち伏せするようになった




このころになると、さすがに俺の執念深さに引いた友人たちは口々に『気持ち悪い』『ストーカー野郎』と言ってくるが




俺もそう思う




だけど、もう仕方ないんだよ




どんなに諦めようとしても、彼女を諦めるなんて俺には無理そうだ