不機嫌プロポーズ






その言葉は想像以上に俺の胸に深く突き刺さる




当然好きなやつに『大嫌い』と言われショックを受けないやつなどいないが、きっと嫌われているんだろうなとあくまでも俺の憶測が現実のものになってしまった




『大嫌い』と言われた、ショックを受けたことを気付かれぬよう、自分も彼女のことが嫌いだという嘘を吐いたあと、俺は急いでその場から立ち去る





胸の痛みを誤魔化す様に全速力で走るが、困ったことに息切れになって走ったぐらいじゃ収まらない苦しみが胸を襲う




ツケが来たのだ




彼女の気持ちなんてまるで無視して、自分のことだけを考えていた自分に




彼女もこんな気持ちなのだろうか?




いや、告白して振られたのだ、彼女の方が俺なんかよりずっとつらい思いをしているはずなんだ




なのに、俺は…





『大嫌い!!』





その言葉が何度も耳の奥で木霊してくる




…俺だって、こんな自分、嫌いだよ