不機嫌プロポーズ





彼女はまだそのことを知らない




でもだからといってそのことを彼女に伝える必要もない




酷い男だと言われるが、それでも俺の口からは言わない




前回のことが相当のトラウマになっていて、余計なことを言って彼女を傷つけるぐらいなら、何も言わない方がいい




そんな優しくない嘘も気付かれるのは時間の問題で、彼女の二度目の恋も呆気なく散ってしまった




自分が恋をした相手に付き合っているやつがいたと知ったその日の彼女はもう目に当てられないほど落ち込んでいて、周りに迷惑をかけっぱなしだった




そんな彼女を慰めることなんて出来ない俺は落ちこむ彼女の姿に胸を痛めながらも、彼女の失敗をフォローし続ける




やっと仕事が一段落したところで彼女の姿が見えないことに気付いた俺は、お得意のレーダーで気配を察知すると、彼女は店の裏で小さく蹲りながら一人で泣いていた