「愛ちゃん、急に電話切るし、それから全て無視するし、どれだけ……」
秋人がぶつぶつ文句言ってる中、私は秋人の胸に飛び込んだ。
私が文句言ってやりたいぐらいだ。
少しは彼女を信じろって。
背中に腕を回して、ぎゅうっと抱き締める。
「えっ、あ、愛ちゃん?」
明らかに動揺してる秋人。
それがおかしくて、秋人の胸の中でクスクスと私は笑みを零す。
「いつもの仕返し」
「なっ」
胸に頬を擦りつけながら、私はぎゅうっとまた抱き締める腕に力を込めた。
「ちょ、ま、待って。愛ちゃん。俺、ドキドキし過ぎて死にそう」
「はあ?いつも秋人の方が急に抱き締めてくるじゃん」
「そうだけど、愛ちゃんからされるのは慣れてない」
「何それ」
「……な、慣れてない」
段々と声が尻すぼみに小さくなって行く。
不思議に思って顔を上げると、秋人の顔は真っ赤になっていてこっちが驚いた。



