「クラスが同じだった時は全く俺を意識してなかっただろうけど、今は違うだろ?
俺からの誘いを断っちゃうぐらい」
「……」
「ただの友達と思ってたら、遊べるもんな」
今でもシゲの事は友達だって思ってる。
だけど、シゲは異性であって、シゲと一緒にいたら秋人はいい顔はしない。
「ま。そうやって牽制したけどさ。俺はまた雪村と普通に話せる事が嬉しいんだよ。
だから、避けたりはしないでよ」
頭をぐしゃぐしゃにしながら、シゲは照れたように笑うとそうぼそっと言った。
私は乱された髪の毛を撫でると、口を尖らせる。
「あ、当たり前じゃん」
別に私はシゲと友達辞めたわけじゃないんだから。
だから、普通に話したりはするし。
そりゃ二人で出かけたりは出来ないかもしれないけど。
「そ。ならよかった。んじゃ行こうか。いつまでもここにいるわけにいかないし」
「うん」
私とシゲはその部屋を出ると、職場を後にした。
「んじゃ、また明日な」
「うん、また」
手を振ってシゲと別れた私はその背中を見つめる。
大丈夫かな、これから。



