「私はここの責任者の渡辺です。よろしく。
では、早速だけど履歴書拝見してもいいかな」
「はい」
「はい」
シゲと私が履歴書を渡すと、それに目を通す。
「はい、二人ともバイトは初めて?」
「はい。私は初めてです」
「あ、俺はコンビニでバイトした事あります」
「そう。じゃあ、いつから入れますか?」
「「えっ」」
それに、私とシゲの声がかぶった。
「ん?正直、人手が足りてなくてね。すぐにでも来て欲しいんだけど」
「え、っと、あの」
「俺は明日から入れます」
口ごもった私の隣でシゲがハッキリと言った。
シゲに視線を向けた後、渡辺さんがこちらに視線を移す。
「君は?」
「私も明日から大丈夫です」
「そう。助かるよ。明日の六時からよろしく。制服とかはこっちで用意するから」
「はい」
「それじゃあ、これで」
渡辺さんは履歴書をトントンと机で整えると、手に持ちニッコリと笑顔を見せた。
それから、立ち上がり事務所を早々に出て行く。
ものの数十分で、バイトが決まった。
まさかこんな早く決まるなんて思わなかった。
それはシゲも同じだったようで、呆けている。



