「お待たせ」
「いいよ全然」
「それにしても愛ってほんとモテモテだよね」
有紗が綺麗な黒髪を弄りながらそう言ったから、思わず変な声が出た。
「は!?」
二人は否定する事なく頷いてるし。
どこがだよ。モテないわ。本当に。
「新一、愛の事凄く気にしてたからね」
「そうそう、清二との遊びを断ってまでさ」
翔子の言葉に私は目を見開く。
おい。本間と本当は予定あったのか。
それを断って私と話すなんて。
はあ、バカだな。結城は。
ぱちんと手を叩くと、由紀が私達の間に割って入って来る。
「さって、そんじゃ愛が来たから行きましょうか」
「そうだね。あ。愛、もしかして何か食べたい?」
テーブルを見ると、三人の手元には飲み物だけだ。
有紗はそう尋ねてくれるけど。
「ううん、いらない」
きっと、私が来るまで飲み物だけで時間を潰してくれてたんだ。
本当に気付かないぐらいの些細な三人の気遣い。



