「…………っ」



救いようのないバカだ。


泣くって覚悟してたのに、辛くて苦しくて胸が痛くて。



「……ふ、うぅ、」



声を押し殺して、涙も我慢しようとするけど、それは無理みたいだった。



「……まじでお前ってどれだけお人好しなわけ?」



突然、そう声がしてハッとしながら顔を上げると、そこには眉根を寄せた瞬が立っていた。
まだ朝だよ。いつもなら寝てる時間帯でしょ。
タイミング毎度悪過ぎだよ、瞬。



「……しゅ、ん」

「……」



ぐいっと涙を強引に袖で拭くと、再度瞬を見上げる。
だけど、瞬はニコリともしないし、眉間の皺も刻まれたままだった。