心配そうにこっちを見る結城の視線にも、気付かないフリした。
昼休み、瞬とは話したかったけどどっかに行ってしまった様で会えなかった。
放課後もすぐに瞬の元へ向かったけど、既に帰った後だった。
……つか、どんだけ行動速いんだよ。おかしいだろ。
絶対、HR聞いてない。あいつ。
寧ろ、HR前に帰ってるんじゃないか。
「ラブ」
瞬と秋人のクラスの入り口前で立っている私の背中に声をかけるのは、結城だ。
……来ると思ってた。
「……結城」
振り返り、結城の顔を正面から見るがその表情は曇っている。
きっと、色々わかってるんだろうな。
「バカだな、ラブは」
悲しそうな顔で笑うと、そう言った。
それに私も困った様に笑う事しか出来ない。