「愛、何か知らないの?」
「え?あ、うん。お姉ちゃんのとこじゃないかな」
由紀の問いに、私は痛みを隠しながらそう答える。
ちゃんと笑えてるか、それだけが心配だった。
だけど、その心配は取り越し苦労だった様だ。
由紀は少し驚いた様子で聞き返して来る。
「麗さん?何かあったの?」
「うん、引っ越したから」
「うっそ。麗さん、引っ越したの?」
「そー。秋人の家からじゃ大学通うの大変だからってさ」
「あー、確かに大変そう」
私の言葉に、納得した様子で有紗が頷いた。
「じゃあ、秋人はそれの手伝い?」
今度は翔子がそう聞いて来る。
だから、私は「そう」と答えた。
「成程ー。その麗さんの家、愛は知ってるの?」
「一応」
「じゃあ、今度行こうよ。引っ越し祝いーとかで」
「え。あ、うん」
翔子の言葉に、三人は屈託なく笑うけど。
正直、今は行きたいなんて思っていない。



