虹色→ジゲン(弐)

「夏喜、準備はいいな？なら始める。木々よ、この者の前世を見せよ」


直也はそう唱えると夏喜が大木に手を触れている所から光りを発した。




夏喜は目を閉じ頭から映像が浮かび始めた。

そこには緑豊かな自然いっぱいの草花や木々や動物に囲まれ、夏喜によく似た女性と、その横には直也によく似た男性が笑顔で動物たちと戯れていた。



程なくして夏喜はこの人がイブで、直也に似た男性がアダムと知る。


二人はとても愛し合っていた。
そんな光景も移り、夏喜の顔は真っ赤になっていた。


そして、大木のところにいるイブ。
ほぼ毎日のように来ている様子だった。
まるで友達かのように接するイブ。




月日が流れて尚イブは大木に出向きいろんなことを木に向かって話す。まるで木と会話しているかのように。


ある時、赤い果実が一つだけ実をつけ木から落ち、まるでイブにその実を食べさせるかのようだった。



そんな様子を見てイブは大木に「私にくれるの？ありがとう」とそう告げ果実を手に取り一口食べる。



ブワッ！！！
急に強風が吹き始めたその時だった！！！