天然×鈍感

「私、ここで彼に告白しょうと思って。ここの木が見守ってくれる気がして。それで、ここに来てほしいっていったの。でも、…来て…くれな…くっ…」

多分、ずっと待ってたんだろう。

ずっと、ほんとにずっと。

彼女は両手で顔を覆い、しゃっくりを上げる。

「大丈夫」

あたしは、立ち上がり、彼女の両手首を掴み顔まで持ち上げる。

「あなたの思いは、きっと天国にいる彼にも届くよ」