天然×鈍感

「ねぇ、どうしたの?」

あたしは、ゆっくり鞄を強く握りながら聞いた。

「待ってるの」

彼女の目の前に来て問いかける。

「誰を?」

「あたしの好きな人。名前は…忘れちゃった。ずっと待ってるから」

「そっか。待ち合わせ場所?」

聞いてから、彼女の左隣に座る。

彼女は、スカートを膝丈にして、髪を二つの三つ編みにしている。

身長も、体型も、顔も普通。

真面目で、学級委員長をしていそうな感じ。