天然×鈍感

「…座るか」

近くの椅子を差し出され、座りながら聞く。

「あっ、あの」

「ん?」

彼も近くの椅子に座り、向き合う形になった。

「さっきの写真消していただけませんか?」

「あー、あの一人芝居?」

一人芝居ですか。

そう来ましたか。

「何で、あんなところに居たんだ?」

はぐらかされた。

でも、この質問に答えないわけにはいかない。

「えっと、迷子になってしまい…」

この答えが一番妥当かな。

「ふーん。そんな消してほしい?」

意地悪な笑顔を浮かべながら聞く。

必死に頷く。

もう、変人扱いはいや!