天然×鈍感

「えっ、今、何時」

突然のことで、頭がついていかない。

「10時20分。入学式は10時から」

かっ、完璧に遅刻…。

どうしよう。

頭を抱えて現状を整理しようとする。

首が、ズキズキと痛む。

「んまぁ、取り敢えず、保健室に行くか。首痛そうだし。ん」

頭を掻いて、右手をあたしに差し出す。

手をとると、ぐっと引っ張られる。

彼は、あたしの鞄を持つとあたしの手を引いて歩き出した。