心愛side
今日、私は私立鳳凰学園に転入する。
「ほわ〜、おっきい!!」
学校の校舎を見てつい声をあげてしまった。すると後ろから笑い声がした。
「クスクス、おっと失礼。君があまりに
面白い声をあげるから。」
私は振り返り思わず頬を染めてしまった。なぜならそこにいたのはまさに
"王子様" だったから。
色素の薄い茶色の髪。その髪はさらさらで風に揺れている。そして髪同様、色素の薄い瞳。私は思わず見とれてしまった。
「...み、き...み、君!聞いてる?」
声をかけられハッとする。
「ご、ごめんなさい!」
すると彼は優しく笑った。
「いいよ。それで君は転校生の小野心愛
ちゃんかい?」
「は、はいっ!」
私は返事をした。すると彼はまた笑い名を名乗った。
「そうか。よかった。僕はこの学校の副
会長の吉川優人だよ。会長が風邪をひ
ひいてしまってね。そのかわりなんだ
。よろしくね。」
「よろしくお願いします!」
私は赤くなった顔を隠すように頭を下げた。それから彼、吉川優人さんは私を理事長室まで送ってくれた。私はこの学園で始まる新たな生活に期待でいっぱいだった。
