「…そんなに怒ると、俺イヤなんだけど」 「やだって……」 「笑ってる方が可愛いんだから」 右頬にだけ、熱がこもる。 「俺は大丈夫。こんぐらいのケガなんて慣れてっから。な?」 優しく頭を撫でながら笑ってくれたけど、 傷はやっぱり痛々しくて……。 「…手当て…させて?」 「……分かった」 オオカミくんは、イスに座って「ん」 と、私をみた。