さっきより指は震えてない。 『着いた』 「い、今行きますっ!!!」 『ゆっくりでいいからな』 オオカミくんはそう言ったけど…… 早く、会いたいな。 ──プツッ 電話が切れると同時に、 私は走って玄関に向かった。 ぎゅっと、カバンとケータイを握りしめて。 「霧斗!オオカミくんきた! お姉ちゃん行ってきます!」 「えっ、はやっ!」 「行ってらっしゃい~気をつけてねー」