ガサガサガサガサ…ドスッ――っ!






「…っ」



そこまでおもい傷はなかったが、擦り傷がたくさんできた。

体がとまるころには全身が痛かった。
 
でも頭を少しうったせいかだんだんと意識が朦朧としていく。


だめ、こんなところできを失ってしまったら誰にも気づかれずに死んでしまうかも…。

私は痛いのを我慢して起き上がる。



「…あ…美麗ちゃん……!」



美麗ちゃんは肩から血をながしながら倒れている。



「…肩が……痛いの…!…痛い!」



血は少量だかとてもつらそう。

ど、どうしよう…。





「美麗ちゃん、肩につかまって…。なんとかして戻ろう…」


「……っ…」



美麗ちゃんは私の肩に腕をまわし、立ち上がる。

なんとかして早く美麗ちゃんを病院につれていかないと。

落ちてきた急な坂は登れそうにないから、私は登れそうな場所があるまで左に進むことにした。




「……成花…のせいよ………!……どうして私がこんなひどいめに……」


「…ごめんなさい…」



確かに落ちるときに私が美麗ちゃんを掴まなければ、落ちるのは私だけですんだ。

でも、落ちたもとの原因は美麗ちゃんだけどね。

私は必死に歩いていく。

だが…。



「…っっ!」



片足にひどい痛みがはしった。

その拍子で転んでしまう。


だめだ、もう限界…。

そんな時。


―――ダダダッ!



「…まさか!」



私は希望をもち起き上がって、精一杯走る。

人がいるかもしれない!

すると。



「あっ!!!」



目の先には馬車で走る人がいた。

私は力一杯の大声で叫ぶように言う。



「助けてっっ!!お願い止まって!!」



すると、馬車は私たちに気づき、目の前でとまった。

乗っていた人はフードを深くかぶり、よく顔がわからない。 



「おや、どうしたんだい…?」


「坂から落ちてしまい、このようなさまに!私たちを馬車に乗せてくれませんか!?」



私は必死にお願いする。

多分、この人をのがしたら、生きてかえれないと思う。



「…もちろん。どうぞ…、後ろからのって。」

「ありがとうごさいます!!」



私は美麗ちゃんを乗せ、自分も乗った。

馬車なんて初めてのる。



「では、出発するよ」


 
男は馬を強く叩き、馬車を走らせた。

座り込んだ私に一気に眠気がおそう。

…だ…めだ。



「…っ」



私の意識はそこできれた。