「…………少しじゃないよ。」
「え?」
「すげー。やだった。
オレがいるのに。お前の彼氏はオレなのに。」
「……っ!」
「好き。」
そう言ったら、君は驚いた顔で
「わ、私も、だいすき」
そう言った。
今度は泣きそうじゃなくて、
幸せそうに、微笑んだ。
「じゃあ、」
「うん、送ってくれてありがとう
久しぶりに一緒に帰れ嬉しかった!」
「これからは、部活がない限り迎に行く。」
「っ、ありがとう」
「早く入んなよ。」
「うん!」
僕は、君の背中に伝えた。
ア イ シ テ ル
そっと、口で形を作ってみた。
まだ君に声で伝えることはできないけど。
……あぁ、やっぱり僕たちは相性がいいみたい。
君が、こっちを振り返った。
伝えそうな気がした。
……

