色を求めて


紗羅の注意が耳に入ってないのか、かなではまた大きな声で言った

「なんでなんでなんでーー⁉︎なんで僕だけ別のクラスなのー!おかしいよ!絶対おかしい!紗羅と華鈴は同じクラスなのにー」

『別におかしくないんじゃない。一学年全5クラス、下手したら3人ともバラバラになってたかもしれないし………
まあ、とりあえず華鈴が1人にならなくて良かった!ねっ、華鈴!」

そう言って紗羅は黒髪の少女に向かって振り向いた

この黒髪の少女こそ、この物語の主人公

名前は 桜花華鈴 (おうかかりん)
腰までの長い真っ直ぐな黒髪とまるで人形みたいな整った顔、現代の大和撫子と呼ばれてもおかしくない彼女には一つ人とは違うことがあった


紗羅に呼ばれた彼女は、ジェスチャーのように手を動かした


《どうかしたの?》