色を求めて



4月



大きな桜の大木は満開の桜を大きく揺らしながら、春を感じさせていた

その桜の木のしたに一人の少女が、まだ真新しい制服で身を包み桜の大木をじっと見ていた
桜を揺らす風は、彼女の長く真っ直ぐな黒髪も揺らし、散る桜の花びらは彼女を優しく包んでいる
その風景は、まるで1枚の絵のように…

彼女が満開の桜を見つめている途中、誰かが彼女の肩を叩いた

彼女が振り返ると、彼女と同じくらいの歳の男の子と女の子が立っている
「おはよう!」
女の子の方が元気良く言い
男の子の方は優しい笑みを浮かべていた

彼女は少し驚いた顔をした後に、静かな笑みを見せて答えた

「おはよう」