ミーンミンミン ミーンミンミン 「行ってきまーす!」 麦わら帽子を深くかぶり直し、水筒とお弁当を持って家を飛び出した。 「5時半には帰ってくるのよ〜」 「はーい!」 5時半、5時半。 心の中で呟いてよし、と大きく頷いた。 そして坂道を駆け下り、右に曲がったところにある一軒家まで全力疾走して、家の前で大きく叫んだ。 「千歳ーーーーー!! あーそぼっ」 小学1年生。 私がまだ 何も知らなかった頃ーーーー